Make patents great again?

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Patented with Donald Trump during the campaign period. The history of trade rhetoric and the treatment of the USPTO Secretary gives an overview of US intellectual property policy over the next four years.

年11月にドナルド・トランプ候補が大統領選挙を制して以来、知財にとってそれが何を意味するかについて多くの憶測がなされてきた。苦境に立つ特許権者にとってはなおさらであった。過去数年、立法措置や裁判所判決、企業幹部間の雰囲気がいずれもほぼ敵対的な状況にある中で、特許権者の一部は、ホワイトハウスの主の交替による事態の変化を期待した。しかし、それが憶測以上のものになることはなかった。選挙中もその終了後も、トランプチームから特許の優先課題についてはほとんど聞こえてこなかった。

その沈黙が、知る必要のあるすべてを物語っているとも言える。米国の新リーダーが誕生してから長い6週間が経つなか、USPTO(米国特許商標庁)は、誰がそのトップなのかについて沈黙を貫いた。大統領就任日直前には、ミッシェル・リー氏の留任がもっぱらの噂だったものの、確証は全くなかった。この期間、事実を確認しようとするあらゆる試みに対し、USPTOの関係者からは、にべもないノーコメントしか返ってこなかった。関係者自身がそれ以上答えようがないことに質問者と同じくらい苛立っていた。

言うまでもなく、知財や特許が大統領の着手リストのトップに来るとは思えないものの、その就任後、我々が目にしたのは(正確には、目にしなかったのは)、少なくとも現代では異例なものであった。この6週間、USPTOは出願を受理し、審査を行い、維持費を処理し、権利を発行していたが、正式には責任者不在の状況であった。私はジャーナリストとして25年間知財を扱ってきたが、世界の他の主要知財機関でこのような事態を見たことは一度もなかった。

やっと3月10日になって、USPTOはミッシェル・K・リー氏が実際に長官であることを認めた。驚くべきことに、この情報を得るためには、ある特許弁護士が情報公開法に基づいて公式に請求を行う必要があった。

今後数年間に、米国の政権トップが特許にどの程度の関心を寄せるかということが、今や察しが付くつくように思える。つまり、大したことは期待できないということだ。誰がUSPTOを動かしているかについてさえ告げようとしない人々が、実際の複雑な特許政策に関心を持つとはいささか考えにくい。つまり、リー長官はかなりの権力を行使できることを意味している。長官は、さらに上層にいる人々から後でとやかく言われることをあまり気にすることなく、思い通りに行動できるだろう。その結果、あらゆる方面から度を超えたロビー活動が行われることになると予想される。

米中関係への影響

トランプ大統領とその主な代弁者が語った唯一の知財問題は、中国が米国の知的財産を盗用しているとされる点である。

早い段階の閣僚任命を見ると、知財の盗用や他の問題に対する強硬路線が明確にうかがわれる。ウィルバー・ロス商務長官は上院の指名承認公聴会で中国の保護主義を非難した。大統領が通商代表部代表に指名したロバート・ライトハイザー氏は長年、中国の貿易政策を批判してきた人物である。連邦取引委員会(FTC)委員長代理になったモーリーン・オールハウゼン氏は、「然るべき支払いを行わずに米国の専有技術を入手すること」を放置して米国の知財権を「毀損」したアジアの反トラスト政策への懸念を明確に表明した。

実際に具体化された政策はわずかにとどまる。大統領は(他の分野と並んで)知財法の執行の強化を要求する大統領令に署名した。他方、議会ではアイオワ選出のスティーブ・キング共和党議員が、中国の侵害による米国の権利保有者の年間逸失収益額を概算し、同等の関税を中国からの輸入品に課すことを通商代表部に求める法案を提出した。

全面的な貿易戦争という最悪の事態への懸念は幾分収まったかのように見える。実際、一部の企業では強硬路線を歓迎する意向さえ示し始めている。従来、米国の実業界は、中国政府の緊縮や報復を恐れて強引な対中国政策を控えることを米国政府に求めてきた。しかし、この考え方は、中国が自発的に緩やかな開放政策を続けるという見通しをベースとしていた。調査では、外国企業の多くがこの前提に対し、次第に疑いを強めていることが示されている。大方にとって相互主義が新しい標語になっている。同時に、米国政府が知的財産や他の貿易問題についてより強硬なアプローチを取っても、米国企業にとって失うものはほとんどないとの認識が広がっている。

貿易面で何が起きるとしても、中国と米国間の知財のつながりは、かつてないほど重要になっている。中国の技術企業は対外投資に並々ならぬ意欲を示しており、知財分野で肩を並べたいと望むそれらの企業は、米国の特許市場においては重要な買手となっている。一方、米国企業は中国の知財制度への関与をこれまでになく強めている。米国で特許権が弱まるなか、中国の特許権がこれまで以上に重要になっている。最近の訴訟傾向を見ると、中国で製品を製造する米国企業が同国の知財リスクに著しく脆弱である可能性が示されている。

両国の消息筋は、米中間の知財紛争の解決機関として米国国際貿易委員会(ITC)の重要性が高まると予想している。このことは、2016年の大統領選挙で誰が勝利しても変わらなかったであろう。この超党派的な独立委員会にとって昨年は忙しい年になった。2011年以来最高となる54件の請求を受けて新たな特許侵害調査を開始したためである。この数は2017年も増加すると実務者は予想している。そして例年どおり、中国企業が他のどの国の企業よりも標的にされた。

米中企業間の訴訟(特にITCの事案)が米国内で増えるか否かにかかわらず、中国の技術企業が米国に投資を行う際に直面する障壁は、新政権下でこれまで以上に増えるかどうかが現実的な問題である。中国の新興企業は、米国の消費市場への進出やシリコンバレーなどでの拠点の構築を目指して、米国の企業や人材を先を争って獲得している。同時に、専任要員を置いて米国の特許資産も購入している。投資環境に変化があった場合、特許の需要に影響があったり、大規模なポートフォリオが中国企業の支配下に入ることになるような大型のM&A取引が滞ったりする可能性も出てくる。

トランプ大統領誕生による数少ない明確な結論の1つが、環太平洋パートナーシップ(TPP)事案の打ち切りである。この12カ国間協定は、主に同地域における中国の影響力への対抗策であったと同時に、一部の東南アジア市場に一定の重要な影響を与えることになったであろう多数の知財規定を含んでいた。TPPの放棄により、米国が今後どこまで同地域の知財の発展に関わり続けることができるのかが問われている。

中国が米国と同じ方法で東南アジア全体の知財保護を強く推進することはまずないであろう。なぜなら知財はこれまで一度も中国の貿易政策において重要視されたことはなく、洗練された特許保有者は同国の経済界において大きな勢力ではない。中国がオーストラリアなどの国々と交わした二国間協定を見ると、中国は「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」を支持し、散発的に保護条項をいくつか追加してくることが予想できる。ただし中国は、今後もアジアの開発途上国と共に進んでいくことに関心を抱いていることは間違いない。中国企業が構築してきたかなりの規模の知財ポートフォリオやASEANでのビジネス関係の強化は、単なる私欲の問題である。

中国国内も似たような展開となるかもしれない。上院の指名承認を待つテリー・ブランスタッド駐中国大使が北京に赴任したときに貿易問題は大きくのしかかるとしても、知的財産は優先事項リストの最上位付近に置かれることはないであろう。しかし多くの米国企業は、たとえ中国全体の経営環境は好転しないとしても、知財環境は改善傾向にあると感じている。中国企業が大規模な知的財産を築くにつれ、その発展自体が推進力となるであろう。極めて不透明な時代にあって、これは確かに明るい展望である。

特許改革に向けた新たな立法措置は従来ほど包括的ではなく、的を絞ったものになるであろう、とミッシェル・リー米国特許商標庁長官が発言

米国特許商標庁(USPTO)のミッシェル・リー長官は、20161115日にワシントンDCで開催されたIAMの特許法・政策イベントで参加者に向けて講演を行った。そこでは下記の問題が取り上げられた。総選挙後の議会における特許改革の追加的な立法措置の可能性および想定される範囲などが含まれている。

過去8年間で、大きく進歩してきたことは明らかである。しかし言うまでもなく、この絶えず変化する環境の中で、イノベーションを推進する米国特許制度の能力をさらに高めるためになすべきことはまだ数多くある。先に述べたように、知的財産が経済成長の原動力として重要であるという我々の認識を次期政権と共有できるかどうかについて、私は楽観的に考えている。将来に目を向ければ、特許改革に向けた法律改正は引き続き議会で議論されると予想される。ただし、その議論は、最高裁判事の空席の補充、移民問題や税制改革といった他の優先課題への対処が終わった後の会期後半になる公算が大きい。また、立法措置による特許改革は、先の議会のような包括的な改革ではなく、もっと的を絞り込んだものになると見込まれる。提案される法案には、特許制度に最近生じた多くの望ましい変化が反映されることを期待している。具体的には、裁判所を通じて弁護士料や訴答要件、開示手続きの制限などについて加えられた変化のほか、USPTOにおいてPTAB(特許審判部)や米国の制度における特許品質の改善に向けた取り組みを通じてなされた変化が含まれる。問題点という意味では、議会の議論には、裁判地の改革のほか場合によっては第101条やPTABの変更が含まれると予想している。裁判地については、2015年には特許事件のほぼ半数が、94ある裁判地区のうち1地区で提訴された。この状況からすれば、原告は間違った理由で優先的にこの地区を選び出しているとの批判が容易に生じる。フォーラム・ショッピングによって有利になれるという認識があるというだけで、特許制度に対する国民の信頼が揺らぎかねない。したがって、裁判地の問題に関する立法措置を(多分、司法措置も)求める圧力が続くことになるであろう。立法改革の範囲は今後決定されることになるが、直近2会期の議会のような包括的な改革ではなく、もっと焦点が絞られると私は見ている。さらに、USPTOは、他国が強固な知財保護、妥当な執行の仕組みと救済措置、および適切な技術移転(またはライセンシングや競争)政策を確実に持てるようにするために世界で努力しているが、次期政権になっても特に中国をはじめとする国々でこの努力は続くと予想している。次期大統領は米国の経済成長と雇用創出を約束しており、知財がその目標達成の鍵を必然的に握ることになるだろう。

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